「『東京の沖縄』というコスモス(宇宙)は望郷の場所だけではない。離れているがゆえに見える沖縄の過去、現在、未来が集約されている」。沖縄学の第一人者、故外間守善氏は、東京沖縄県人会の機関紙「月刊おきなわの声」縮刷版に寄せた一文で指摘した

▼「おきなわの声」は昨年12月、創刊35周年を迎えた。2月号で403号に達する。東京・関東地域のウチナーンチュの活動や古里・沖縄の動向を伝える数少ない情報源として多くの県出身者に親しまれている

▼創刊は1979年12月10日。復帰を境に在京マスコミなどで沖縄報道が減り、県人会で情報を発信する必要性に迫られてのことだった

▼創刊から22号までは「月刊東京・沖縄の人」の題で発行された。沖縄への偏見が依然として根強い時代。会員から「沖縄の人間だとすぐに分かる。電車で読みづらい」などの声があり、81年10月から現在の題名に変更されたという

▼単なる県人会報ではなく、米軍基地問題や教科書検定問題などを積極的に取り上げてきた。最近は普天間飛行場の県内移設やオスプレイ配備に反対する県民の声を訴えている

▼9日には都内で記念講演が開かれる。毎月積み重ねてきた記事、紙面は貴重な年代記を織りなし、「沖縄とは」「日本とは」という問いを投げかけている。(与那原良彦)