沖縄ハム総合食品(読谷村、長濱徳松会長)は、県内で初めて本格的なスッポンの養殖に成功し、2月からレトルトの新商品を販売している。同村の本社敷地に整備した施設で約2万5千匹を養殖。同社によると、沖縄の温暖な気候は稚ガメの生育に適し、本土に比べ加温コストなどが低く抑えられる点がメリット。年内に本部町でも同規模の養殖施設を新設する計画で、将来的には委託養殖も検討し、新たな産業モデルを構築したい考えだ。(長浜真吾)

出荷直前のスッポンをチェックするオキハムの長濱徳松会長=読谷村、同社の養殖場

オキハムから発売されたすっぽんなんこつそーき

出荷直前のスッポンをチェックするオキハムの長濱徳松会長=読谷村、同社の養殖場 オキハムから発売されたすっぽんなんこつそーき

 長濱会長は「コラーゲンやアミノ酸など豊富な栄養素を含むスッポンを使った料理・商品を、できるだけ低価格で提供し、長寿食・大衆食として普及させたい」と強調。増産体制を整え、県内外で需要喚起、販路開拓を目指す。

 同社は約2年前、長濱会長を中心に養殖事業をスタートさせた。本社の敷地約1万平方メートルに、親ガメ、稚ガメ用の養殖施設を整備し、専属スタッフを配置した。養殖が盛んな九州から「ニホンスッポン」約千匹を導入。稚ガメに魚粉などの配合飼料を与え、約1年半で800グラム~1キロに成長し、出荷できる状況になった。

 スッポンの養殖に適した水温は約30度。一般的に本土では10~4月にかけて加温が必要だが、沖縄は12~3月で約2~3カ月短い。同社水産部の野原寛弘課長は「加温がいらない夏場でも、低温な地下水を利用しているため、適温を保てる。本土に比べて生育スピードも早い」と話す。

 スッポンは本社工場で加工。隣接するレストラン「すっぽん館」で、すっぽん鍋(3300円)、すっぽん汁定食(1750円)、そば(800円)を提供するほか、豚軟骨ソーキとスッポンを煮込んだレトルトのすっぽん汁を販売。今後は抽出エキスを使った栄養ドリンクなど新商品の開発を進めるとしている。

<すっぽん館公式HP> http://okinawa-kokuto.co.jp/html/restaurant/index.html