北部地区を中心にドクターヘリを運航するNPO法人メッシュ・サポートは7日、従来の救急搬送に加え、医師が不足する離島・へき地への専門医派遣や災害救援など多目的な活用を始めた。名護療育園の泉川良範施設長ら3人が同日、障がいがある子どもへの療育相談などのため日帰りで伊江島を訪れた。メッシュの活動が始まり6年目。離島・へき地のニーズにこたえた幅広い医療支援が今後も広がりそうだ。(溝井洋輔)

NPO法人メッシュ・サポートの多目的運用第1号となる伊江島での巡回診療に向かう名護療育園の泉川良範施設長(手前)ら=7日午前、名護市宇茂佐・MESHヘリポート

 ヘリの多目的活用は災害時の救援や巡回診療医師の搬送、イベント時の救急体制の協力などが柱。メッシュ・サポートは平均で年間約180件の救急搬送をしているが、北部地域の医療環境の整備や定住環境の向上などに向け、新たな役割が加わった。

 北部広域市町村圏事務組合の要請で昨年12月末に開始が決定。同組合は、3月までに医師・看護師などの派遣費約900万円を含む約2200万円を補助、うち8割を国が負担する。

 イベント時の協力は、昨年11月の「ツール・ド・おきなわ」で試験的に行われ、負傷者に対応できるよう体制を整えていた。東日本大震災後の被災地支援で、移動困難な場所へ医療物資を搬送した経験も役立てたいという。

 巡回診療の医師らの派遣は、ヘリだと伊江島に約7分、伊是名島と伊平屋島には約15分で到着する。移動時間を短縮し診療時間をより多く確保できることや、船の欠航に左右されないなどの利点があるという。

 離島で障がいのある子どもの療育相談や継続的なフォローを15年間続けている名護療育園の泉川施設長は「今までと違った発想で支援できる」と歓迎。ヘリを活用した新しい支援の在り方を検討したいと述べた。

 メッシュ・サポートの塚本裕樹事務局長は「今まで解決できなかった医療環境の改善をヘリという便利な道具を使い可能性を広げたい」と話している。