環境調査は米軍内部で完結し、外部の目を一切通していない。県や宜野座村の墜落現場での調査を受け入れず、調査方法は説得力に欠けるというほかない。米軍の結論を検証することができない一方的な調査なのである。そんなやり方で地元を納得させようとするのは無理だ。

 嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが昨年8月、宜野座村のキャンプ・ハンセン内の山中に墜落、炎上した事故で、現場周辺の土壌から鉛やヒ素、カドミウムなどの有害物質が検出されたことが分かった。ヒ素などは環境基準値を超えているという。

 県によると、米軍は汚染の度合いは深刻ではないと説明したという。だが、日本側が直接調査できない現状では、実態は不明だ。

 米軍は1月下旬から墜落現場周辺の表土を除去する作業を進めている。除去しなければならないレベルの土壌汚染ということではないのか。

 米軍だけの調査であることを考えれば、「不都合な真実」を隠しているのではないかとの疑念が拭えない。

 墜落事故から半年以上もたっているのも問題である。米軍は土壌汚染が判明した段階ですぐ地元に連絡すべきだ。

 墜落現場は大川ダムに隣接している。同ダムは村民の飲料用水を賄っていたが、墜落事故以来、村は現場の汚染土壌が水源に流出していないか最終的に確認することができないため、取水を停止。現在は、漢那ダムからの取水量を増やして対応している。

    ■    ■

 県や宜野座村が求めている墜落現場の環境調査について、米軍は汚染土壌を除去してから認める見通しという。順序が逆転している。

 「安全」という結論だけを見せて、県と村から「お墨付き」を得るようなものである。米軍が環境に与える影響を過小評価しようとする狙いを持っているとしか思えない。調査経過が不透明であり、とても納得できない。

 県や宜野座村の立ち入り調査を制限しているのは日米地位協定である。地位協定は米軍の排他的管理権を認めているからだ。

 當眞淳村長らは事故から3カ月たった昨年12月、立ち入ったが、土壌採取などは許可されず、目視による調査で終わった。

 県も昨年9月、米軍の事故調査が終わっていないという理由で、墜落現場の土壌採取は認められず、離れた地点で採取せざるを得なかった。このため、県は調査地点の「水質、土壌への影響はなかった」と結論づけていた。

    ■    ■

 米軍基地の環境汚染は深刻だ。返還後にさまざまな有害物質が検出される例は後を絶たない。跡地利用にスムーズに移行するための大きな障害になっている。

 最近では嘉手納基地の返還跡地に建設された沖縄市のサッカー場から多数のドラム缶がみつかり、環境基準値を超えるダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されている。

 環境調査の透明性を確保するには、県や当該自治体が加わった合同調査が必要不可欠だ。やはり、不平等な日米地位協定の改定しかない。