仲井真弘多知事による名護市辺野古沿岸の埋め立て承認で「普天間飛行場の移設問題は片付いた」との安堵(あんど)感が米政府内に漂っている。

 辺野古反対を掲げる稲嶺進氏が再選された名護市長選挙直後、日本政府は入札を公告。辺野古着工へ向け入念な準備を進めている。

 普天間返還と辺野古移設の中止を願う沖縄には、どんな選択肢が残されているのか。ここで少し歴史を振り返ってみよう。

 沖縄は1945年から72年まで、米軍が直轄支配する軍事植民地だった。米軍は不当に搾取した土地に軍用飛行場やCIA(中央情報局)の秘密拠点を建設し、規制のない軍政下で沖縄は戦場への足場と化していった。

 米議会は外界から隔絶された沖縄の状況に関心を示さず、国際社会も監視の目を向けることはなかった。

 米高官たちは、こうした歴史を熟知しているし、沖縄をめぐる現状が米国の民主主義の理念に反していることも理解している。しかし、復帰後は日本に責任を転嫁し、そして日本政府は沖縄に米軍を閉じ込めながら日米同盟を維持する政策を続けてきた。

 辺野古に新基地を建設するということは、こうした状況が半永久的に続くということだ。

 仲井真知事は普天間の5年以内の運用停止を安倍晋三首相に求めたが、米高官らは口々に「非現実的」「破綻した論理」と指摘。普天間の運用停止時期が判明するのは、グアムにおける海兵隊受け入れ時期の確定後との見解を示す。

 普天間返還と辺野古移設中止の実現には現行計画の変更が不可欠だが、日米両政府にはその意思がない。

 名護市長選後に訪米した糸数慶子参院議員らと会談したウェッブ元上院議員は、沖縄が望むなら「橋渡し役になろう」と申し出た。

 ウェッブ氏は、沖縄の状況に関心を示さなかった米議会に問題提起し、法制化することでグアム移転計画のずさんさを表面化させた実力者だ。

 沖縄選出の国会議員や県議、市議らはウェッブ氏を介して沖縄の要望を米議会に届けてみてはどうか。

 米国防権限法案に沖縄の意向が反映されれば、米政府への直接的働きかけが可能となるし、稲嶺市長が米上院軍事委員会の公聴会などで証言する機会が得られれば、沖縄の声を直接届けることも可能だ。

 米議会はすでに2015会計年度国防権限法案の策定に着手している。早急に行動することが大事だ。(平安名純代・米国特約記者)