那覇商工会議所青年部(仲田憲仁会長)は1月から、企業の技術やノウハウを生かし、小学校で出前授業を展開している。沖縄の未来を担う子どもたちの教育を支援しようと集まった業界は、広告代理店、不動産、飲食など幅広く、2012年度から会議や研修会を重ねてきた。文部科学省によると、産業界が主体の出前授業は全国でも珍しいという。(與那覇里子)

子どもたちに不動産業の内容や勉強の大切さを伝える長山努さん=那覇市立大道小学校(那覇商工会議所青年部提供)

 出前授業は、文部科学省の地域キャリア教育支援事業の一環で、働くことと国語などの教科学習とを結びつけて教える。

 仲田会長は「産業界側には高い離職率など人材に関してたくさんの課題がある。今後、労働力が減っていく中、子どものころから人材を育てることは、産業界にもメリットがある。時間をかけて取り組んでいきたい」と意義を説明する。

 不動産業の長山努さん(38)は1月26日、那覇市立大道小学校で教壇に立ち、1年から5年までの児童49人を対象に、授業を展開した。子どもたちに自分の住みたい間取り図を描かせると、野球の練習室、ゲーム室など、ユニークな間取り図が次々と出てきた。

 一方、間取り図を通して、敷地面積を求める時には学んでいる算数が役立つことや、社会や理科を学ぶことで地名や地層、地形の高低などが分かるようになることを説明した。長山さんは「小学校での勉強が大人になっても役立つ。そうすると、子どもはやる気を出して勉強し、親の仕事にも興味を持つ。今後も学校に出掛けたい」と手応え十分だ。

 今後は出前授業を展開する学校を拡大するほか、商工会のネットワークを生かし、職場体験やインターンシップ(就業体験)の受け入れ先探しにも取り組む方針だ。

 学校現場などでキャリア教育に携わるオーシャン21の翁長有希代表取締役社長は「支援体制は心強い。産業界が率先して取り組むことで、キャリア教育の取り組みも効果も加速する。画期的」と評価した。