県議会2月定例会は波乱の幕開けとなった。

 仲井真弘多知事の所信表明演説に先立ち、野党中立5会派が、昨年暮れに知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことに対する調査特別委員会(百条委員会)の設置を求める緊急動議を提出、賛成多数で可決された。

 百条委の設置は復帰後3例目だが、知事を当事者とするのは初めて。埋め立て承認後の臨時会での知事答弁や、埋め立てを承認した記者会見での知事説明が不十分で説得力がないことを示している。

 臨時会では知事の辞任を求める決議を同じく野党中立5会派の賛成多数で可決しており、与野党の対立が先鋭化している。

 環境影響評価(アセスメント)の手続きの最終段階の評価書に対し、知事意見は「生活環境および自然環境の保全を図ることは不可能と考える」と国の環境保全対策に明確にノーを突きつけていた。

 知事が承認する直前の土壇場でも県環境生活部の意見は「生活や自然環境の保全について不明な点があり、懸念が払拭(ふっしょく)できない」と国の環境保全対策を疑問視していた。

 知事は承認の理由を「現時点で取り得ると考えられる措置等が講じられている」という点を挙げた。専門家や有識者らで構成される環境監視等委員会を設置することも国に求めているが、いずれも生活環境や自然環境の保全を担保するものではない。

 知事が臨時会で「辺野古移設に駄目だと言ったことは一度もない」などと開き直るに至っては、最初から承認の「結論ありき」だった疑念が拭えないのである。

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 「不可能」と言い切っていた知事意見から埋め立て承認へ転換したいきさつは何か。埋め立てを承認しながらなお選挙公約の「県外移設」を堅持していると主張することに整合性はあるのか。

 東京で入院中に政府首脳との度重なる密談で何があったのか。それ以前の密談も数知れない。知事が承認に当たって政府に求めた普天間の5年以内の運用停止など「4項目」の基地負担軽減策はどういう政策手続きを経て提示したのか-などブラックボックスの中にある事柄があまりにも多すぎるのである。

 臨時会でも野党の追及に対して知事答弁では肝心なことは何もわからなかった。百条委を設置して、これらの疑問点を明らかにすることは県民から選ばれた県議会として当然の務めだ。知事も本来なら百条委設置の前に説明責任を果たすべきだったのである。

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 百条委は地方自治法に基づき設置される。調査対象の関係者の出頭や証拠提出を求めるなど強力な調査権がある。証言を拒否したり、虚偽の証言をしたりすると、禁錮や罰金が科せられる。

 与党側は反対討論で代表・一般質問でただせばいいと主張したが、百条委の権限はまったく違うのである。

 週明け以降に審議を始める。稲嶺進名護市長の参考人招致も予定している。知事は一転して承認に至ったすべての疑問点に答えるべきだ。