起きると、都内でも雪がうっすらと積もっていた。有楽町駅前の靴磨き屋も臨時休業。店主は「雪でぬかるむ日にわざわざ靴を磨く物好きもいないだろう」と一言

 ▼天気予報で雪と聞くと、なんとなく浮かれがちになる自分に気づく。だが、記録的な積雪をもたらした先週に続く大雪警報には、銀世界に憧れる南国人特有の気分も吹き飛ばされてしまった。寒さに凍えながら歩く道路は所々凍結し、足元もおぼつかない

 ▼交通機関も混乱した。電車や新幹線に運休や遅れが出て、利用者の足を直撃。金曜日のバレンタインデー。せっかくのデートや宴席を諦めた人も多かったことだろう。通常よりも早めの帰宅ラッシュで駅は混雑に見舞われた。こういう時はタクシーもつかまらない

 ▼空の便も羽田空港などの発着便に欠航が相次いだ。ちょうど大学の入学試験の真っ盛り。沖縄から挑戦する受験生らに影響が出てはいないかと心配になる

 ▼雪国の人々から見ると「これしきの雪で」と言うのかもしれない。冬の大荒れの天候は都市機能をまひさせるだけではなく、その脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにする

 ▼「雪は天からの手紙」の言葉を残したのは雪の研究で有名な物理学者の中谷宇吉郎氏。雪景色に見入るのもいい。でも今は、一足先に春を迎えた沖縄の暖かさが恋しい。(与那原良彦)