琉球大学医学部沖縄県寄付講座事業報告シンポジウムが15日、同大内で開かれ、県内外の医師が地域医療を支える人材確保や、医療のあり方などを報告した。

求められる医療について意見を交わすパネリスト=15日午後、西原町・琉球大学

 旭川医科大学(北海道)の住友和弘医師は全国同様、北海道でも都市部に9割、町村部に1割と医師の偏在が顕著だと指摘。地方にとどまる医師を増やすため、医学部生を早い時期に地域で実習させており、体験を通して理解が進み、地域医療にポジティブなイメージを持つ学生が増えたと述べた。

 医師不足による患者の減少で、経営危機に直面する市立大町総合病院(長野県)の高木哲副院長は、再生に向けた取り組みを報告。病院の現状を知ってもらうため住民との対話集会を開いたり、研修医獲得のためにフェイスブックを活用していると話した。

 高齢化率日本一の秋田県で訪問診療専門のクリニックを開業する市原利晃医師は、入院中寝たきりだったお年寄りが自宅に戻り歩けるようになった事例を紹介。「家に帰りたいという患者の言葉からすべてが始まる。身体・社会的状況が厳しい場合も、できない理由を探すより、どうしたらできるかを考える必要がある」と訴えた。