南城市のサキタリ洞遺跡で、国内で初めて旧石器時代の貝器が発見されたことは、これまで旧石器時代の道具イコール石や骨製、という常識に切り込み、沖縄島南部に住んでいた人々が海の恵みを生かして生活を営んでいたことが浮かび上がり、多様な旧石器時代の姿を示した。(学芸部・城間有)

サキタリ洞遺跡 発掘成果の位置づけ

 旧石器時代の海の貝の利用は、フィリピンや中国に例があったものの、装飾品としての利用が主で、サキタリ洞遺跡のように道具として使った痕跡があるのは世界的にも珍しいという。

 日本で見つかっている最古の貝器は、長野県などで見つかった1万4千年前ごろ(縄文時代草創期)の物。また装飾品としては、2万4千~2万3千年前ごろの北海道の遺跡で、石や琥珀(こはく)製のものが出土していた。

 国内では縄文時代の遺跡からは貝器が出土しているが、今回の発見で沖縄の人々が時代をさかのぼって旧石器時代にも、海の貝をさまざまな用途に使っていたことが示された。

 また、サキタリ洞遺跡から約1・5キロの地点にある八重瀬町の港川フィッシャー遺跡で発見された人骨(港川人)は道具を伴っておらず、どのような文化を持っていたかが不明だった。今回、近い地点で同時期の人骨と道具が出土したことは、港川人の生活を考察する手掛かりとなる。

 同遺跡は今回調査した地層の下にさらに古い地層があり、県立博物館・美術館は発掘調査を継続する方針。沖縄の石灰岩の地層は人骨や貝殻を守ることから、さらに古い時代の手掛かりが見つかることが期待される。