南城市玉城前川のサキタリ洞遺跡から、国内で初めて旧石器時代の貝器が出土したことについて、専門家は驚くべき発見と評価、沖縄には旧石器時代から独自の文化があった可能性を指摘した。また、関係者や地元首長も、先史時代のロマンにまた一つ学術的裏付けが加わったことを喜んだ。

貝器が見つかった黒い地層を説明する県立博物館・美術館の山崎真治主任=15日、南城市玉城前川・サキタリ洞遺跡

 千葉県立中央博物館の黒住耐二主任上席研究員は「旧石器時代に貝の道具が出たのは驚きしかない」。旧石器時代、本土では貝器が出ておらず、逆に沖縄ではほとんど石器が出ていないことから「本土と違う文化があった可能性がかなり高まった」と指摘。名古屋大学の門脇誠二助教も「この時代に貝で道具を作る例は世界的にも珍しい。当時の人は、石器として使える石が少ない中、手に入るものを使い、環境に適応して生活し、独自の文化を生み出していたことを示す重要な成果」と話す。

 琉球大学医学部の土肥直美非常勤講師は「人骨と貝器、両方が同じ地層から出たことは大きい。今回の発見で、港川人含めて、2万年くらい前の人がどのような生活をしていたか議論できるようになるのではないか」とした。県立埋蔵文化財センターの金城亀信調査班班長は「(歴史の)空白期がだんだん埋まってきている」と評価した。

 サキタリ洞遺跡がある観光施設「ガンガラーの谷」を管理運営する南都の大城宗憲社長は「この谷一帯が港川人の生活の場ではないかとロマンを感じ想像を膨らませていた。想像が現実味を帯びてきた」と歓迎。南城市の古謝景春市長も「南城市が琉球開びゃく神話の地といわれる中、素晴らしい発見」と喜んだ。