【那覇】地震や津波が起きた時に那覇市繁多川公民館を簡易の福祉避難所として利用しようと、同公民館で16日、公民館を避難所に見立てた社会実験があった。地域の人や学生、身体障がい者ら約60人が、豚汁の炊き出しなどをしながら避難所運営の課題を探った。

地震や津波を想定した訓練で豚汁をつくる人たち。大きな白い紙(中央奥)には、気づいた問題点が書き込まれていた=那覇市の繁多川公民館

 公民館は行政の指定避難所ではないが、海抜70メートルの住宅密集地にある。実験を企画した一人で、沖国大経済環境研究所の稲垣暁特別研究員によると、最大で1日5千~1万人の避難者が訪れる可能性がある。実験を前に2度の学習会を開き、避難者数の想定や役割分担などの準備をしてきた。

 この日は、調理、給水、生活など分野ごとに班をつくって実験スタート。三つの大鍋で1時間以上かけて豚汁を作ったり、休憩所を運営したりした。会場に貼られた大きな紙には、参加者が「授乳室のカーテンがない」や「ボランティアの人数の把握はどこがするのか」など気づいた課題を書き込んだ。

 同様の実験は2012年6月に続き2度目。連続で参加した近くに住む無職、久高将一さん(76)は「水の使い方など班を超えた横の連携が前回よりスムーズだった。課題は経験の成果をどう地域に広げるかだと思う」。稲垣さんは「人口密度から考えると、那覇市では阪神大震災のように大量の避難者が生まれるだろう。万が一のとき、どんなケアが必要なのか実験から考えたい」と話した。