佐喜真淳宜野湾市長は17日、自治会館であった県市長会(会長・翁長雄志那覇市長)の定期総会で、米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」を市長会として政府に要請するよう提案した。だが、「5年以内の-」は仲井真弘多知事が名護市辺野古埋め立て承認に関連して安倍晋三首相に要請した文言と同じ。別の市長からは「市長会が辺野古を認めたというメッセージになりかねない」などと異論が上がり、佐喜真市長が提案を取り下げた。

 佐喜真市長は翌18日に政府が運用停止に向けた関係閣僚と県、宜野湾市による協議会を立ち上げることに触れ「返還合意から18年苦しんできた。危険性除去のため現実対応で現状打開を」と熱っぽく訴えた。

 一方で、辺野古移設に反対する稲嶺進名護市長は「危険性除去なら『5年以内』ではなく『即時』ではないか」と疑問を呈した。

 その後は「これまで即時や早期という表現で返還が実現できなかった。首相も5年以内と言っている」(松本哲治浦添市長)と賛同の声がある一方で「県内移設断念の建白書を提出した経緯がある。辺野古前提のような5年以内には違和感がある」(東門美津子沖縄市長)との意見も。

 下地敏彦宮古島市長からは「建白書を前提に5年以内の運用停止」との修正意見も上がったが、最終的に佐喜真市長が提案を取り下げた。総会後、ある保守系市長は「市長会は全会一致が前提。宜野湾の気持ちも分かるが、思いが強すぎて全体が見えていなかったのか」と本音を漏らした。

 この一件は市町村長レベルでも建白書による「オール沖縄」の構図が変わりつつあることの一端とも言える。

 ただ、翁長市長は会合後、辺野古はそれぞれの立場があるとしつつ「建白書の意義は生きているし、そのDNAは沖縄の土壌に根を下ろしている」と強調。「県内断念」が県内世論との考えをにじませた。(銘苅一哲)