本土復帰前の軍雇用員のアスベスト(石綿)被害救済に向けて、活用が棚上げされている約20万枚の「軍雇用員カード」をめぐり、沖縄労働局と県は19日、カードの活用を検討する協議を再開した。復帰前の軍雇用員は制度の周知が不十分で、救済が進んでいない。カードは復帰前で唯一の就労記録で、活用されれば潜在的な被害者の掘り起こしにつながる可能性が高い。

 沖縄労働局の本原正一労災補償課長らが19日、県公文書館を訪れ、あらためてカードなどの情報提供を依頼。公文書館側は「本庁と検討する」と応じ、双方の認識違いで協議が滞っていたことも確認した。沖縄労働局は今後、具体的な活用手法について厚生労働省との検討を進めるという。

 一方、県議会野党会派「県民ネット」(奥平一夫代表)のメンバーらは19日、県庁を訪れ、復帰前に石綿被害を受けた軍雇用員の救済に向けて制度周知を徹底するよう求めた。対応した小嶺淳商工労働部長は「(カード活用は)できると思う。沖縄駐留軍離職者対策センターと連携できるような形で進めたい」とした。県は20日にも、県公文書館や商工労働部など関係部局で会議を開き、対応を話し合う。