サトウキビを立ち枯れさせるコガネムシ科の害虫「ケブカアカチャコガネ」の性フェロモンの成分を畑に充満させて交尾を妨害し、駆除に成功したと、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)と沖縄県農業研究センターなどのチームが20日、発表した。

 砂糖の原料となるサトウキビは鹿児島、沖縄両県で栽培されている。沖縄県の宮古島と伊良部島では、収穫前にケブカアカチャコガネの幼虫が根を食い荒らし、深刻な被害をもたらしている。

 チームは、ケブカアカチャコガネの雌が出す性フェロモンが、アルコールの一種で揮発性に富んだ「2-ブタノール」と確認。交尾時期の1月下旬~3月上旬、畑に張り巡らせたチューブに人工的に合成したこのブタノールを通してしみ出させ、地上に充満させることで、雄が雌を見つけて交尾することを妨害できた。確認できた幼虫数は、何も対策を取らなかった場合に比べて20分の1以下に減った。農業生物資源研究所の安居拓恵主任研究員は「幼虫は地中にいるので駆除が困難だった。多量の農薬を使わずに済むので、環境負荷も少ない」と話している。