5月22日から4日間、国立劇場おきなわで「聞得大君(ちふいじん)誕生」(大城立裕作)が再演される。歌舞伎女形人間国宝の坂東玉三郎出演で注目を集めた新作組踊だ。歌舞伎で有名な京都四條南座でも6月5日から7日間上演する。再演にあたり玉三郎と国立劇場おきなわ芸術監督の嘉数道彦が新たに演出を手掛ける。劇場で開かれた制作発表で、出演者らが再演に向けた意気込みを語った。

新作組踊「聞得大君誕生」再演に向け意気込みを語る坂東玉三郎(中央)ら=浦添市・国立劇場おきなわ

 身分違いの恋に揺れる王の妹・聞得大君を演じる玉三郎は、「(一緒に舞台をつくることで)新しい雰囲気が生まれ、多くの人に目を向けていただいて、さらに新しい組踊が将来に向かっていければ」と語る。今回は新たに創作舞踊「蓬莱島」も上演。「今までの古典舞踊を組み替えて一つの物語にする。劇場でお楽しみいただきたい」と呼び掛けた。

 大城は21作品目の新作組踊となる本公演を「坂東さんという名優に加わっていただき、これ以上の名誉はない」と喜ぶ。初演では20回以上書き直しがあったと振り返り、「今回も新たな書き足しがあるのでご期待いただきたい。これが私の最高の作品だと自負している」。

 嘉数は前回、立方として出演した経験を生かしながら演出に取り組む。「中堅若手の実演家がしっかりと玉三郎さんと向き合い、舞台づくりができる」と話し、「玉三郎さんの力をお借りして、より磨きのかかった舞台になるよう稽古を積みたい」と決意を語った。

 公演を監修する日本芸術文化振興会の織田紘二顧問は「南座で1週間公演できるのは素晴らしいこと」という。県内の出演者に向けて「本当の意味でプロになり、演者を育てるいいチャンスになってほしい」と期待を寄せた。

 前回に引き続き、玉三郎の相手役の里之子で出演する川満香多は「共演で役者が物語をつくっていくという、作品への取り組み方が一番勉強になった」、玉城盛義は「古典を踏まえ、組踊の新しい可能性を模索する上で、かなり刺激的な舞台になる」と話した。

 県内公演のチケットは、劇場窓口と郵送による応募抽選で販売する。受付期間は3月1~14日。問い合わせは同劇場チケットカウンター、電話098(871)3350。

舞踊「蓬莱島」も上演

 創作舞踊「蓬莱島(ほうらいぬしま)」は、坂東玉三郎が琉球に古くから伝わるニライカナイ伝説をモチーフに構成・演出を手掛ける。

 振り付けは阿嘉修、音楽は花城英樹。「聞得大君誕生」に出演する若手男性舞踊家が出演する。

 玉三郎がニライカナイ神を演じ、蓬莱島の物語の進行に合わせて、構成された琉球古典舞踊を沖縄の舞踊家らが踊る。

 12日に浦添市の国立劇場おきなわで稽古があり、玉三郎と男性舞踊家らが手順を確認し、構成などについて意見交換した。緊張の中にも和やかな雰囲気で、本番での成果が期待される。