県宅地建物取引業協会(徳嶺春樹会長)と全日本不動産協会沖縄県本部(迫幸治本部長)は、賃貸物件退去時の原状回復補償に関する県独自のガイドライン「沖縄県ルール」を策定し21日、協定を締結した。費用負担などの契約関係を入居時に明確化し、退去時のトラブルを未然に防ぐのが狙い。

 賃貸物件の契約は管理業法がなく、貸主と借り主による自由意思で契約が結ばれている。そのため、退去時の補償負担や敷金返還をめぐるトラブルや訴訟が多発しているという。ことし1月末までに県宅建協会の不動産相談所に寄せられた本年度の相談件数は379件。そのうち原状回復についての相談は21%の80件だった。

 両協会はこれまで、国土交通省が定めたガイドラインや裁判例を参考に相談に対応してきたが、ルール化されていないため契約が借り主に負担の大きい内容になっていたりと、相談件数の減少につながっていなかった。

 沖縄県ルールでは、「経年変化や通常損耗は貸主負担」「過失や故意・通常の使用方法に反する使用で発生した損耗や傷は借り主負担」と定めた。両協会は沖縄ルールの詳細を記載した解説書を作成。入居時と退去時に物件の不具合を確認できるフォーマットを添付した賃貸借契約書も用意した。両協会の会員に合計1500部を無料配布するほか、研修会などで貸主側に指導していく。

 県宅建協会の徳嶺会長、全日本不動産協会沖縄県本部の迫本部長は「快適な住環境をつくるため、ルールの啓発に努めたい」と話した。