「現代の建築技術で、古い建物は十分よみがえる」。1級建築士の根路銘安史さん(49)=南風原町=は話す。建物の保存再生のプロを講師に迎えた「住まいクリニックセミナー」を23日午後6時から県立博物館・美術館で開く。住宅を改装して住み続ければ家計や環境への負担が減り、家族の思い出も守れるなどのメリットを訴える。

 講師は、横浜の赤レンガ倉庫(1911年完成)など数多くの建物の保存・再生に関わる建築家で東京電機大教授の今川憲英さん(66)。

 古い建物を耐震補強するだけでなく、年季の入った建材を生かして、使いやすくおしゃれに大幅に改装する「リノベーション」をテーマに事例を紹介する。

 根路銘さんがセミナーの必要性を感じたのは、2003年と08年の住宅・土地統計調査だった。取り壊した住宅の平均築年数が03年は30・5年なのに、08年は22・6年と約8年も短くなった。

 「県内の住宅の約9割は鉄筋コンクリート造。耐用年数は少なくとも40年以上。23年弱で建て替えるのは、県民所得を考えても負担が大きすぎる」

 今ある建物をこまめに手入れすることの必要性を指摘し「建物を大切にすれば、暮らしは豊かになる。それを考えるきっかけになれば」と期待する。

 セミナーは入場無料。問い合わせはセミナー事務局、電話080(9444)7269、末吉将大さん。