台湾で2013年9月、狂犬病を発症した犬が見つかった。台湾からの輸入荷物に発症したネズミや猫などの動物がまぎれ込んだ場合、検閲をすり抜け沖縄に入ってくる可能性がある。県内は犬の予防接種率が低迷。放し飼いや、人がかまれる事故が多いため「流行につながる条件がそろっている」と関係者は警戒を強めている。(久高愛)

 狂犬病は、国内でも台湾でも50年以上、発生していなかった。沖縄は台湾に距離が近く、気候や自然環境が似ており対岸の火事ではない。

 犬の狂犬病予防接種率が70%以上あれば、流行を防ぐことができるといわれている。しかし、県内の接種率はこれまで全国最低が続き、12年も49・7%と低迷している。登録されていない犬や野犬の数を含めると、実質的な接種率はその半分の25%程度まで落ち込むといわれている。

 狂犬病は、犬に限らず全ての哺乳類がウイルスに感染して起こる。人は発症した犬にかまれることで感染する例が多い。発症すると致死率はほぼ100%。多くの国で発生例があり年間約5万人の死者が出ている。

 狂犬病の犬にかまれた場合でも、発症前であればワクチンを接種することで予防することができる。しかし、発症するまでは感染したかどうか分からないため、ワクチン接種が遅れ死亡したケースもある。発症後の有効な治療法も確立していない。06年にはフィリピンで犬にかまれた日本人男性が、帰国後に発症し死亡した。

 台湾で発生した経緯は不明。現在、人への感染報告はないものの、今後の広がりが警戒されている。

 県獣医師会狂犬病予防対策委員長の大城菅雄さんは「狂犬病の流行を防ぐためには、飼い犬に予防接種を受けさせ、市町村へ登録することが重要だ」と話した。