「在日米軍は性犯罪処分に甘い? 米国防総省のデータには実態は反映されていないのか?」

 ジリブランド上院議員(民主)は、AP通信のスクープ記事を読み終えるやいなや、国防総省に報告書を要求するよう補佐官に指示した。

 米軍内の性犯罪撲滅を目標に、被害者や救済団体と手を組み、国防総省を相手に健闘するジリブランド議員は、同問題におけるリーダー的存在。彼女を支える補佐官らは膨大なデータを熟知しているが、同じ問題でも米国内と海外の米軍基地では異なる基準が存在するとの指摘は初耳だった。

 AP通信のスクープ記事によると、米兵による性犯罪が軍事法廷で審理される割合は、米軍全体で42%(2009年)から68%(12年)と上昇。しかし、05年から13年前半における在日米海軍(海兵隊含む)審理率はわずか25%で、除隊や降格などの軽処分件数が、法廷審理件数の3倍に達していた。

 AP通信は、「在日米軍が審理を避ける傾向が浮き彫り」と指摘した上で、「米軍全体の傾向は在日米軍には当てはまらない。処分は甘く、判断に一貫性もない」と厳しく批判した。

 米軍の性犯罪問題は、被害者が声を上げにくい上に、国防総省がデータを開示しないなどの要因も手伝い、これまでブラインド・スポット(盲点)となってきた。しかし女性上院議員らが軸となった取り組みで、ようやく光が差し込み始めた。

 ジリブランド議員は、1月末に訪米した糸数慶子参院議員らから、在沖米軍による性犯罪情報を入手。加害者を守る「日米地位協定」など、「米国外で違う壁が存在することを学んだ」と話す。

 沖縄は、米軍との長い歴史があるにもかかわらず、米本土からは姿が見えにくい「死角」に入っているようだ。

 在沖米兵による性暴力を根絶するには、被害者の人権を守らない日米地位協定を改定し、加害者を処罰しない米軍の体制に終止符を打たねばならない。

 死角に光をどう当てるか。米側からは見えにくい沖縄の実情を認識させる取り組みが必要だ。(平安名純代・米国特約記者)