【石垣】防衛省が、陸上自衛隊の配備先として石垣市内を含む複数の候補地を検討していることに対し、候補地周辺住民や23日に告示された市長選の関係者からは不安や戸惑いの声が漏れた。

 候補地の一つとされる、市崎枝の大崎牧場の男性経営者は「初めて聞いた」と戸惑いを隠さない。同牧場は約60ヘクタールと広大で、名蔵湾の内と外に接している。湾外は石垣市では珍しく、海岸から数十メートルとリーフが近く、リーフ外の水深の深い海域も近い。男性は「湾内は穏やかで、台風時には海保の船が避難する。水深の深い部分と穏やかな部分が接していて、基地として目をつけられる可能性はある」と指摘する。

 候補地の一つ市宮良のサッカーパークあかんまについて、ある市幹部は「サッカーファンだけでなく、大勢の市民の反対に遭う」と実現性を疑問視。崎枝やあかんまがある市西部地区の農業男性(54)は「基地が来れば賛否で地域が割れる。37年間も争った新空港が落ち着いたばかりなのに、とんでもない」と反発した。

 市長選の候補者2人も戸惑いの声を上げた。

 現職の中山義隆氏(46)は「あかんまは子どもが楽しく利用しており、配備地としてはふさわしくない。正式な話でないとコメントしづらい」と述べた。

 前市長の大浜長照氏(66)は「基地は日米共用でオスプレイが来る可能性もある。自然豊かな石垣に基地は必要ないと思うが市民の声を聞きたい」と語った。