【東京】政府が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた工事や事前調査への反対行動を想定し、対応策の検討を始めたことが24日、分かった。建設予定地周辺に設定されている米軍の提供水域内へ入った場合の刑事特別法の適用や、事前に活動を阻止するのが可能かを探るのが検討の柱。過去に反対運動でボーリング調査が中断し、負傷者も出たことから、ことし夏ごろに予定される調査に備えて検討を急ぎたい考えだ。(比屋根麻里乃)

 刑事特別法は、米軍施設内に正当な理由なく侵入した場合などに適用される。

 2004年に辺野古海域で那覇防衛施設局(当時)が代替施設のボーリング地質調査を実施した際、海上で船やカヌーを使って調査を阻止しようとした移設反対派ともみ合いになった。逮捕者は出なかったものの、けが人が出て調査は中断に追い込まれた。

 今月5日の参院予算委員会で、安倍晋三首相は反対行動に対する対応について「関係機関や自治体と協力して危険防止に万全を期したい」と答弁。

 古屋圭司国家公安委員長と太田昭宏国土交通相は「法と証拠に基づく違法行為があるなら厳正に対処する」と述べており、提供水域への侵入など具体的な行動の前に、どこまで阻止できるかは明確になっておらず、検討課題となっている。

 政府は辺野古移設に向けて1月から生物調査やボーリング調査の業者選定の公告を始めており、夏には辺野古海域での調査が始まる見通し。

 [ことば]刑事特別法 日米地位協定の実施に基づく法律。米軍施設への侵入や米軍所有の物品の損壊、に対する罰則や刑事手続き、逮捕された軍人・軍属の身柄引き渡しについて定めている。「米軍財産の捜索、差し押さえ、検証は米軍の同意を得て行う」ことも定められており、2004年の沖国大でのヘリ墜落事故時の日本側の捜査の壁にもなった。