琉球大学医学部付属病院(國吉幸男院長)で昨年8月、妊娠17週の子宮頸(けい)がん患者の30代女性に、子宮と胎児を残したまま患部を切除する手術を行い、成功したことが24日分かった。女性は今年1月、妊娠38週目に帝王切開で3千グラムを超す成熟児を出産、母子ともに経過は順調で、今後も妊娠・出産できる可能性があるという。

手術の概要を説明する琉球大学医学部付属病院産科婦人科の青木陽一教授=西原町・琉球大学医学部・臨床研究棟

 妊娠中に子宮頸がんが見つかった場合、現在の標準治療だと出産をあきらめて子宮摘出などの治療をする。執刀した琉大病院産科婦人科の青木陽一教授は「子宮頸がんは近年20~30代で増加傾向にあり、妊娠をきっかけに見つかるケースも増えている。出産を希望する患者にとって新たな選択肢になることが期待される」と話している。

 同病院によると、同手術後に妊娠を続け37週以降の満期で出産したのは世界でも10例しか報告はなく、国内では2010年の大阪大学病院に次いで2例目。琉大病院の後に新潟県内で2件の手術が行われた。

 今回、手術・出産した女性にあった腫瘍の大きさは直径2センチで、患部のある子宮頸部だけを切り取る「広汎(こうはん)子宮頸部摘出術」を約6時間かけて行った。