【東京】石原伸晃環境相は26日の衆院予算委員会第6分科会で、政府が目指す沖縄本島北部(東村、大宜味村、国頭村)を含む「奄美・琉球」の世界自然遺産の登録に名護市辺野古沿岸海域や大浦湾を追加する可能性について「ユネスコのルールにのっとって、守るべきものがいないところを政治的な問題として後から加えることは環境省として考えていない」と述べた。米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う環境保全に対する玉城デニー衆院議員(生活)の質問への答弁。

 玉城氏は、辺野古沿岸海域や大浦湾には国の天然記念物ジュゴンが生息していることを説明。環境省が絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧種IA類」に指定していることを指摘した上で「世界遺産リストに掲載されない場合でも、海域を守るために環境省が積極的にかかわるべきだ」と訴えたが、石原氏は「政治問題とくっつけて委員会でコメントするのは立場上控える」と述べるのみだった。

 また、辺野古の埋め立て工事に対する環境保全については「環境影響評価上の環境省側からの関与は法律上ない」とした。

 日本ユネスコ協会連盟によると、世界遺産の登録基準には「陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程または生物学的過程を代表する顕著な見本である」「学術上または保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する」の項目も含まれる。

 石原氏の発言について環境省の担当者は沖縄タイムスの取材に対し「世界自然遺産を目指す奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会では、ヤンバルクイナ等の希少固有種が成育する陸域の生態系を評価しているため、そこにジュゴンは含まれていない理由を(石原氏は)説明したかったのではないか」と代弁した。