県出身初のプロ野球選手として広島、阪神で活躍した元投手の安仁屋宗八さん(69)=広島市在住=が昨年12月、広島のOB会長に就任した。現役引退後もコーチ、解説者として「カープ愛」に満ちたまなざしで後輩の成長を見守り、25日には沖縄キャンプへ乗り込んだ。昨季、16年ぶりのAクラス入りを果たしたチームに「今年こそ日本一」とハッパをかける。

広島の野村謙二郎監督(中央)とともに、打撃練習を見つめる安仁屋宗八さん(右)=コザしんきんスタジアム

 「きれいになったな」。安仁屋さんは新装されたキャンプ地・コザしんきんスタジアムに足を踏み入れ、目を細めた。沖縄キャンプ開始の1982年は、投手コーチに就任したばかり。「雨によくやられた」と当時を振り返りながら、「新しい施設だと、選手は自然とやる気が出るもの」とプラス効果を期待する。

 打撃練習を見守りながら、野村謙二郎監督と30分近く話し込んだ。選手の成長もさながら、野村監督自身の変化に驚いたという。「クライマックスシリーズを経験し、自信がみなぎっている」と、指揮官の成長ぶりにも注目する。

 地元放送局の解説者として毎年、順位予想を披露する。期待値込みで投手の勝ち星を合算し、年間勝利数が100に届く年も。「本当は毎年ぶっちぎりで優勝なのだが…」と頭をかくが、今年は掛け値なしで「最低でも80勝」と予想した。

 「大瀬良、九里と生きのいい若手が加わり、20代後半も成長している」。前田などの強力先発陣に、「厚みが増す」と読む。

 30年ぶりの日本一へ、まず立ちはだかるのは昨年のセ・リーグ覇者の巨人。かつて「巨人キラー」と呼ばれ、通算34勝を挙げた安仁屋さんは「気後れせずぶつかって行け」とげきを飛ばす。県民には「チームワークは球界一」という後輩たちへの応援を呼び掛けた。

 また来月の選抜高校野球に出場する母校沖縄尚学と美里工へ、県内2校選出をたたえつつ、「1試合ずつ全力を尽くして」とエールを送った。(比嘉直志)