与那国町特産の薬草「長命草」(ボタンボウフウ)に含まれる成分「プテリキシン」が生物の細胞に直接働き、肥満を抑制することが琉球大学熱帯生物圏研究センター長の屋(おく)宏典(ひろすけ)教授らの研究で分かった。長命草が肥満に効くという科学的根拠が初めて明らかになり、今後の商品開発や販路拡大が期待される。

抗肥満成分「プテリキシン」を含むことが分かった長命草

中性脂肪抑制の仕組み

抗肥満成分「プテリキシン」を含むことが分かった長命草 中性脂肪抑制の仕組み

 研究結果は26日までにオランダ「エルゼビア」社の学術誌「ニュートリション」ネット版に掲載された。

 長命草はセリ科の常緑多年草で、県内では野菜や薬草として食べられている。古くから抗アレルギーや鎮痛作用のほか、肥満を防ぐ効果がうたわれてきたが、これまで根拠は明らかにされていなかった。

 屋教授らのグループは2006年に研究開始。ラットの餌に長命草を混ぜると体重が減ることを確認。その後は長命草の抽出物を分離・精製し、取り出した成分が生物の脂肪細胞や肝臓細胞、筋肉細胞にどう反応するか調べた。

 さらに抗肥満効果が高い成分を選んで分離・精製し、細胞への反応を調べ、最終的に化合物の一種「プテリキシン」が各種の細胞、特に脂肪細胞に働きかけ、中性脂肪の合成を抑制する原因物質であることを突き止めた。

 屋教授は「プテリキシンの働きを探ることで、長命草の効能を裏付けることができた。抗肥満成分の作用を活用し、県民の健康増進につなげたい」と話す。「沖縄を含む南の地域で成分濃度が高い長命草が生産できる可能性もある」と述べ、地産地消や健康食品製造の活性化などの波及効果にも期待した。(天久仁)