仲井真弘多知事が名護市辺野古沿岸部の公有水面埋め立てを承認してから早くも2カ月が過ぎた。県議会の百条委員会や臨時会、定例会のこれまでの質疑で疑問は晴れたか。残念ながらノーである。

 昨年12月17日に首相官邸で開かれた沖縄政策協議会での要請についても、どのような議論を経て要請書が作成されたのか、政策決定過程が依然としてあいまいなままだ。

 仲井真知事は政策協で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の候補地に沖縄を入れるよう要請したことを、27日の県議会代表質問で、あらためて明らかにした。

 各県の「手の挙げ勝負が始まっている」からだという。

 カジノ導入について仲井真知事は、2010年の知事選公約で、県民合意が前提であるとの姿勢を示していた。県内には今なお、賛否両論があり、県民合意を得るまでに至っていない。合意形成もできていない状況で、県議会や県民への事前説明もないまま、要請書に盛り込んだのである。

 仲井真知事の手法は危うい。トップダウンと言えば聞こえはいいが、実態は独断専行に近い。カジノ導入の是非を論じる以前の問題だ。

 要請書には「鉄軌道の導入決定、早期着工」も盛り込まれているが、県や県議会はいつ、そのような重大な決定を下したのか。

 沖縄政策協議会は、官房長官が主宰する内閣と県の協議機関である。安倍晋三首相をはじめ全閣僚が参加する。そこでの要請は県の正式な意思表明に等しい。

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 元防衛事務次官の守屋武昌氏は『「普天間」交渉秘録』の中で、知事の「使者」を名乗る県内ゼネコン首脳が語った辺野古受け入れ条件を紹介している。中身は「那覇空港の滑走路新設」「モノレールの北部延伸」「高規格道路」「カジノ」である。

 知事が政策協で要請した内容と比べると、実に興味深い。知事の政策協での要請が、どのような水面下の動きの中から浮上したのか、想像がつく、というべきだろう。

 基地の負担軽減に関して要請書は「普天間飛行場の5年以内運用停止、早期返還」「オスプレイ12機程度の県外配備」などを挙げている。

 4カ月前の2013年8月、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会は、安倍首相や関係大臣に対し、「普天間飛行場の県外移設及び早期返還、危険性の除去」「オスプレイの配備計画中止」を要請した。軍転協の会長は、仲井真知事である。

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 軍転協要請と内容が大きく変わったのであれば、事前に軍転協を開いて内容を説明し、了解を求めた上で政策協で要請すべきではないのか。しかし、軍転協への事前説明はなかった。

 「政策協での知事要請↓安倍首相との会談・要請に対する回答↓辺野古埋め立て申請の年内承認」というシナリオが出来上がっていたと解釈すれば、なぜ独断専行したのかを含め、すべては矛盾なく説明が付く。

 徹底究明が必要だ。