【東京】小野寺五典防衛相は28日の記者会見で、石垣市の2カ所が陸上自衛隊の部隊配備先として絞り込まれていると県内で報じられたことに関し「報道の自由があるが、事実と違う内容なので抗議する」と述べ、琉球新報社と日本新聞協会に文書で抗議したことを明らかにした。防衛省によると文書は24日付で、琉球新報社には訂正も求めた。新聞協会への抗議は異例。

 防衛省が抗議した報道は、琉球新報が石垣市長選告示日と同じ2月23日付の1面トップ。沖縄タイムスは24日付1面で報じた。防衛省は南西諸島地域の防衛体制を強化するため、離島防衛を担当する部隊の配備先を選定中。

 小野寺氏は「石垣への陸上自衛隊部隊の配備についての報道がされたと承知をしているが、これは事実とは違う内容だ」と強調。2日に投開票される石垣市長選に触れた上で「間違った報道が選挙に影響を及ぼすことは適当ではないということで抗議した」と説明した。

 防衛省の辰己昌良報道官は新聞協会に送付した理由を「同種の報道が続き、地元でも大きな懸念が広がりかねないということもあった」と説明。防衛省は2紙の報道とも「事実と異なる」と主張し、「最初に報じた琉球新報社だけに抗議した」と回答した。

 琉球新報社の松元剛編集局次長は「十分な取材に基づいた報道であり、訂正の求めには応じられない。石垣市長選に関連付けたものでは全くなく、内容も特定の候補者を利するものになっていない」とコメント。防衛省が新聞協会に申し入れたことについては「釈然としない」とした。

 新聞協会の会長宛てには西正典事務次官名の申し入れが内容証明郵便で届いた。「今後適切な報道を強く要望する」との内容。担当者は「加盟社の報道にどうこう言う立場になく、協会に何を求めているのかが分からない。返信を含め、対応の予定はない」と話した。