【浦添】浦添市が2014年度当初予算案に計上した中学3年生対象の給食無料化をめぐり、市教育委員会(仲宗根加代子委員長、5人)が松本哲治市長に対し「了承できない」と反対して提出した意見書が、教育委員らの正式な合意を得ないまま「特段のご配慮を」と反対を弱めたトーンに書き換えられていたことが28日、分かった。意見書は、市当局が議会に予算案を提出した後、最終的に当初の文言に戻されていた。(平島夏実)

給食無料化に「了承できない」と反対する浦添市教育委員会の意見書

市長あての意見書の変化

給食無料化に「了承できない」と反対する浦添市教育委員会の意見書 市長あての意見書の変化

 沖縄タイムスの取材に対し池原寛安教育長は、意見書を書き換える際に教育委員会の正式な合意を得ていなかったことを認めた上で「2度の変更は、いずれも複数の委員から声が上がったため」と釈明。書き換え指示があったかについては「ノーコメント」とした。

 改ざんされたのは、市教委が仲宗根委員長名で松本市長に提出した意見書。「地方教育行政の組織および運営に関する法律」の第29条は、市長が教育関連の予算を計上する際は市教委の意見を聞かねばならないと定めている。

 教育委員らは2月7日の定例教育委員会を経て同10日付で、「教育行政の停滞が予想されるので、提案された学校給食費補助金交付事業を了承することはできません」と無料化に反対する意見書を作成した。

 その3日後、意見書は教育委員らの合意がないまま「教育費が効果的に計上されているのか懸念されますので特段のご配慮をお願い致します」と修正された。市長部局はこの意見書になって初めて受理し、松本市長、名護正輝副市長らが「供覧」の欄に印鑑を押した。

 さらに議会開会後の2月26日、意見書は給食無料化に反対する当初の内容に戻された。いったん受理した意見書は破棄された形になっている。

 市教委の意見書は通常、議会開会前の庁議の際に他部局と共有するが、今回はその手続きを踏んでいない。池原教育長は同12日の庁議で「意見書の文言は調整中」としていたが、その後も内容説明をしないまま市議会に臨んでいた。

 [ことば]浦添市の給食無料化 2013年2月の浦添市長選で当選した松本哲治氏の公約。全児童・生徒約1万2千人分(約5億8千万円)の無料化は財政的に厳しいとして、14年度予算案には中学3年生約1300人分の約5300万円を計上した。