琉球大学産学官連携推進機構(仲座栄三機構長)と県産業振興公社(知念榮治理事長)は28日、県内企業の製品開発の支援や新産業の創出に向けて両者で連携して取り組む「包括的連携協定」を締結した。琉大や大学研究者が持つ特許技術や研究成果を県内企業に提供して新製品の開発に役立ててもらうほか、特許技術を発展させて新たな産業の創出につなげる。技術の民間活用で同機構が協定を結ぶのは初めて。

包括的連携協定を締結した琉球大学産学官連携推進機構の仲座栄三機構長(左)と、県産業振興公社の知念榮治理事長=28日、那覇市の同公社

 全国的に大学が持つ技術の活用が広がる中、琉大でも組織的に取り組む必要があるとして、公社に締結を呼び掛けた。これまで研究者が個別に、企業へ技術提供してきたが、今後は機構が主導する。

 琉大はメタボリック症候群の改善剤やプラズマを使った減菌装置、モズク原料の凝集剤など約70件の特許を持っている。そのため機構は公社を通して企業側のニーズを収集して製品化できるものを特定し、技術提供する。県内企業が検索しやすいよう研究者のデータベースも充実させて、大学の持つ知財の積極的な活用を促す。

 具体的な連携の内容は今後、両者の意見交換で決めるとしているが、仲座機構長は研究者でプロジェクトチームを立ち上げて製品化に必要な技術を確立して、公社を通じて市場に出していく考えを示した。

 研究開発から販路開拓までを両者で「一気通貫」できる体制を整える方針で、仲座機構長は「今までできなかったことをやっていく」と意気込む。研究だけで終わることなく産業として活用できるよう、研究者と企業との関わりを増やしていく。

 研究者の企画・開発力を高めるため、県内企業への派遣や、大手メーカーの研究開発の現場に触れてもらう取り組みも必要だとして、研究者のスキルアップの仕組みを構築していく。

 同日、那覇市の県産業振興公社で開かれた調印式で、知念理事長は「時代の変化を見据えた支援を手を取りながら進めていく。産学官の連携で企業の持つポテンシャルを飛躍的に上げていきたい」と抱負。仲座機構長は「産業の育成を通じて培った経験を学生の教育にも生かしていきたい」と気合を入れた。