28日に死去した詩人、まど・みちおさんの妹、鎮西(ちんぜい)春江さん(101)は那覇市在住。「優しく、人を疑わず、欲がない、神様のような兄でした」と思い出を語った。

兄まどみちおさんの思い出を語る鎮西春江さん=28日、那覇市内

 きょうだいは戦前、台湾で育った。まどさんは台湾総督府に勤めていた時、自分用に新調した背広を結婚式を挙げる台湾人の部下に譲ったり、臨時にもらった手当を配ったりしていたという。「母も兄を頼りにしていて、こんないい子が勧めるのだからとキリスト教に改宗したほどでした」

 鎮西さんの夫で琉球大学名誉教授の忠茂さん(故人)は、まどさんと友人同士。「兄が『間違いない人間』というので結婚しました。実際間違いない人でした」と振り返る。

 まどさんが沖縄を訪ねてきたときも「遠慮がちで、もっとわがままを言えばいいのに、と思うほど」。数年前には鎮西さんが、まどさんを訪ねて神奈川県へ行ったが、その時は元気なようすでベッドの上で創作をしていたという。

 長年短歌に取り組んでいる鎮西さんは、近く歌集を出版予定。「兄が喜んでくれると思っていましたが会えないんでね。もう一度ぐらい会いたかった」と涙ぐみ、「みなさんに大切にされて生活していました。本人も感謝して亡くなったと思います」と話した。(城間有)