【平安名純代・米国特約記者】クリントン米大統領(当時)が2000年の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)への出席直前、米軍北部訓練場の一部を返還し、国立公園化する構想を検討していたことが2月28日、明らかになった。海兵隊側へ非公式に打診したものの合意に至らず、日本側には伝達されなかった。米国立公文書館が同日、クリントン政権時代の機密文書の一部を公開した。

クリントン政権時に検討された米軍北部訓練場の一部を国立公園化する構想を記した米機密文書

クリントン政権時に検討された米軍北部訓練場の一部を国立公園化する構想を記した米機密文書

 クリントン氏が沖縄を訪問する直前の7月18日付の内部文書によると、1996年に返還合意した北部訓練場の一部を「迅速に国立公園化」する案の実現化に向け、政権内で検討を進めていた。

 米海兵隊側に打診したものの、実現を阻む主要な障害に「複数あるヘリパッドの移設」を挙げ「ヘリパッド建設による環境への影響をめぐる論争が円滑な返還の実行を妨げる可能性がある」と分析。「行き詰まりを打破する一つの可能な方法は、海兵隊が移設するヘリパッド数を減らすか、移設先をあまり敏感でない地域への変更に合意すること」と解決方法を模索した経緯が記されている。

 サミットでの県民向けのクリントン氏の演説を推敲(すいこう)した文書では「基地の返還や縮小を願う沖縄の人々の希望を打ち砕くことは一切言うべきではない」と記述。国立公園化について「米政府として日本政府に協力を呼び掛けることを検討する可能性がある」としつつ、政権内で合意が得られていない段階であり、公式の場で「言及すべきではない」とくぎを刺している。

 クリントン氏は2000年7月21~23日まで名護市の万国津梁館で開かれた九州・沖縄サミットに出席するため、米大統領としては1972年の本土復帰後初めて沖縄県を訪れた。