17市町村の首長選に始まり11月に知事選を控える2014年県内政局の“1年戦争”第2ラウンドとなった石垣市長選は、県政与党の自民、公明が推した現職の中山義隆氏が再選された。自民は「名護は落としたが、これで1勝1敗」(県連幹部)と天王山の知事選、そして4月に控える前哨戦の沖縄市長選に弾みをつけた。一方で、県政奪還を目指す県政野党は大敗を認めつつ、石垣で主要争点となりにくかった名護市辺野古埋め立ての承認問題を追及し、有権者の共感を得る論戦や体制づくりを急ぐ。

 1月の名護市長選に続く2連敗は許されない-。これが自民県連、そして党本部、政府の石垣市長選をめぐる共通認識だった。政府・党本部からは石破茂幹事長、小泉進次郎衆院議員、三原じゅん子参院議員、山本一太沖縄担当相らが応援に入る地方の市長選では異例の対応。党関係者は「東京側では尖閣を抱える石垣は落とせないという認識も強かった」としており、県内政局と同時に政府の防衛政策をも左右する選挙として位置付けられていた。

 浮動票の取り込みを狙った党本部、政府からの応援は名護市長選でも取られた手法。県連幹部は「名護は知事の埋め立て承認直後の影響が大きかった。本来は石垣のように功を奏する」と約4千票差の要因を挙げ、承認問題の影響も想定よりかなり少ないとして沖縄市長選以降も経済、振興政策を前面に出した選挙を展開する構えだ。

 一方の野党側は石垣の重要性は認めつつ、今後の選挙レースに直接の影響はないとみている。野党幹部の一人は米軍基地の集中する本島中部、沖縄市では有権者の基地問題への関心が高いとし、承認問題の争点化を重要課題の一つとする。

 知事選に向け社民、共産、社大、生活、県議会会派の県民ネットが2月にスタートした候補者選考委員会が目指すのは「承認に反発する良識保守」(野党幹部)の取り込み。沖縄市長選はその実現性を占う意味も持ちそうだ。(政経部・銘苅一哲)