離島の県立診療所16カ所で1人体制で働く看護師の厳しい勤務環境を改善しようと、昨年5月に県が始めた通称「しまナース」派遣事業。島を離れざるを得ない研修や緊急の休暇の際に沖縄本島から2人の看護師が代わりに離島医療を担う。開始から10カ月間の派遣は延べ180日。拠点となる各県立病院と連携を図りながら支援の内容も拡大。役割は代替要員にとどまらず、服薬指導や診療器具の整備、業務改善にも取り組む。

しまナースの上原美由紀さん(右)と知念久美子さん。手にした「しまナースだより」は診療所の様子などを紹介しており、既に14号発行した=4日午後、県庁

 これまで拠点となる県立病院から派遣はあったが、シフトが決まった後の急な要請などに対応できないこともあった。診療所の看護師からは「安心して島を空けられる」「親身になって考えてくれることがうれしい。存在が心強い」などの声が県に寄せられている。

 県内離島には町村立を含め20カ所の公立診療所があるが、同事業の対象は県立の16施設。代替医師を派遣するドクタープール事業は2002年に始まっている。一括交付金を活用した「しまナース」が13年度に加わったことで、医師と看護師各1人の県立離島診療所の体制は強化された。

 しまナースは、看護師歴25年で、粟国診療所勤務の経験がある上原美由紀さん(47)と、県立看護大学大学院で離島の看護を研究した知念久美子さん(36)。2人は通常は県立南部医療センター・こども医療センターなどで各診療所の状況確認や研修にも励む。診療所などを紹介する「しまナースだより」は14号を数え、情報発信にも力を入れる。

 知念さんは10カ月を振り返り、診療所の看護師が急な用事で島を出たくても我慢していたり不安を抱えていた状況も実感した、という。上原さんは「診療所の看護師さんが働きやすく、勉強しやすい環境をつくり、離島医療に貢献したい」と抱負を語った。