【東京】沖縄戦の記憶と教訓をどう引き継いでいくか-。都内の高校3年生の石井純さん(18)=中野区=が、継承に向けたプロジェクトの開催に向けて奔走している。都心で中高生を集め、沖縄戦について映像を見ながらディスカッションし関心を高める試み。「悲劇を繰り返さないため、東京の若者が学び次世代の証言者になるイベントにしたい」と意気込んでいる。

東京での沖縄戦継承のイベントをPRする石井純さん=沖縄タイムス東京支社

 プロジェクトは「小さき平和へのFLAG! 沖縄戦の証言者に変わる学生イベント」。都内の中高生110人を集め、沖縄の大学生13人も参加する予定。

 「なぜか沖縄に強い関心があった」という石井さん。通っている東大教育学部付属中等教育学校の高校1年生の課題学習をきっかけに沖縄戦継承に取り組むようになった。

 沖縄に通って体験者の話を聞き「二度と繰り返してはならない」との思いに共感する一方、東京で学ぶ機会や環境が乏しいことに気付いた。「学校でも学ぶのは“5秒程度”。自分のこととして考える場が必要だ」と、継承方法の研究を卒業論文のテーマに決めた。イベントもその一環で企画した。イベントは19日に東京国際フォーラムで開く。

 県出身で映画「人魚に会える日。」の監督の仲村颯悟さんも協力する。東京で育った主人公の女子高校生が、亡くなった祖母の「命を大切に」というメッセージをもとに、沖縄戦を考えていくストーリーの映像を制作してもらった。

 参加者は、映像を見てディスカッションし、沖縄戦だけでなく米軍基地負担が続く現状、文化へも認識を深める。「事実を風化させずどう引き継いでいけるか。参加者と一緒にヒントを見いだせれば」と語った。賛同する同級生らと実行委員会をつくり、実現に向けて奮闘している。一回限りにせず、継続して全国に広げたいとの思いも強い。

 課題は会場や映像制作費、沖縄から招く学生らの費用の工面だ。ネットを使って調達するクラウドファンディングも導入し、協力を呼び掛けている。14日まで。公式サイトから協力できる。http://016okinawa.jimdo.com/(東京報道部・宮城栄作)