大規模な事故や災害の際に現場などで救命治療を行う災害派遣医療チーム(DMAT)が所属する県内の13病院と県が協定を結んでいないことが9日、分かった。協定未締結は全国で沖縄県だけ。協定は法的な義務はないが、災害出動時の指揮命令系統がスムーズに運用できない可能性や、派遣される医師や看護師の身分保障が不安定になるなど懸念の声が上がっている。

 DMATは通常、1チームに医師2人と看護師2人、調整員1人の5人体制。県内では琉球大学医学部付属病院や浦添総合病院、沖縄赤十字病院、県立病院など13病院に19チームある。

 担当する県医務課は協定締結に向けた準備を進めており、早ければ年度内にも締結したい、としている。

 協定を締結しなくても災害出動はできるが、協定がない場合は活動の範囲や身分保障が明確にならないことに加え、費用弁償の手続きなどで医療機関の負担も大きくなる。

 県内で唯一のDMATインストラクターである沖縄赤十字病院の佐々木秀章救急部長は「病院という枠を超えて日ごろから訓練する必要性があるが、現在は県の後ろ盾がない状況にある。横の連携を図るためにも早く協定を結んでほしい」と指摘している。