2009~12年に西原町幸地で見つかった沖縄戦の遺骨18体について、厚生労働省が、同地でほぼ全滅したとされる旧日本軍歩兵第22連隊第11中隊の全国の遺族約100人に、DNA鑑定への参加を促す準備を進めている。しかし、遺骨を発見したボランティアや、幸地で戦没した県民約370人の遺族は、日本兵より多くの住民が犠牲になった沖縄戦の実態を踏まえ、「民間人の遺族にも呼び掛けるべきだ」と求めている。

西原町幸地の壕跡地で見つかった遺骨。説明しているのはガマフヤーの具志堅代表=2009年9月13日

 厚労省は昨年秋までに、18体の一部からDNAの抽出に成功。11月に第11中隊の名簿を基に、出身者が多い北海道や愛媛など16道府県に遺族の現住所を照会した。回答が出そろい次第、遺族に文書でDNA鑑定への参加を呼び掛け、申し出があれば照合する。沖縄戦戦没者の遺骨について、国が全国の遺族に鑑定を呼び掛けるのは初めて。

 これに対し、遺骨を見つけた収集ボランティア団体「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(60)は「幸地では沖縄県民が多数亡くなっており、防衛隊を含め住民の遺族にも広く鑑定参加を促すべきだ」と訴える。4月に厚労省に要請に行く。

 防衛隊員の父・良武さんを亡くした赤嶺良一さん(73)=那覇市=も「私たちもぜひ鑑定の対象に加えてほしい」と望む。父の戸籍謄本には幸地で没したとの記録があるが、埋葬してくれた人も沖縄戦で亡くなったため、詳細な場所は不明のまま。「墓には、骨の代わりに幸地で拾った小石を納めている。息子として骨を放っておけない」と話す。

 厚労省外事室は、住所照会の対象を第11中隊の遺族に絞った理由を「遺骨発見場所の近くで第11中隊の所属を示す万年筆が見つかっており、同隊所属の可能性が高いため」と説明。防衛隊や学徒隊を含む民間人の遺族への呼び掛けについては、「遺骨との結び付きを示す物証がなく、国費を支出する条件が整っていない」と否定している。