【東京】文部科学省は13日、八重山地区内で異なる教科書が使用されている問題について、竹富町教育委員会に対し、14日に是正要求することを決めた。文書を郵送する。国が市町村に直接要求するのは初めて。自治体は是正要求に従う義務が生じるが、従わなくても罰則はなく、町は30日以内に国地方係争処理委員会に審査を申し出ることもできる。

 教科書無償措置法は、同一地区内で協議し同じ教科書を採択しなければならないと定めていることから、文科省は町教委の対応を「違法状態」と指摘。昨年10月、地方自治法に基づき下村博文文科相名で県教育委員会に対し町に是正要求をするよう指示したが、県教委は審議を継続し要求していない。

 文科省は、「先送りできない」などとして、新年度を迎える前に直接、町教委に是正要求する方針を示していた。

 是正要求は、地方自治法に基づき実施されるもので、市町村の事務処理が法令違反や、適正を欠くと認める場合で、緊急を要するときなどに大臣が市町村へ直接求めることができるとされている。

 町教委は2011年8月、翌年度から使用する中学校の公民教科書に、八重山採択地区協議会(竹富町、石垣市、与那国町で構成)が決めた「育鵬社版」ではなく「東京書籍版」を採択。国の無償給付の対象外となるため、寄付金などで独自に購入して生徒に配布している。

 教科書採択に関しては、地方教育行政法で「各市町村教委が教科書を採択する」としていることから、町教委は、別の教科書を採択することも合法との認識を示してきた。

 竹富町教育委員会の慶田盛安三教育長は「学校現場も教委も忙しい年度末に是正要求してくる真意が分からない」と困惑した表情を浮かべ、「24日の教育委員会で対応を協議する。県教委とも相談、連携していく」と述べた。

 諸見里明県教育長は13日、「まだ国から何も連絡はない。本当に明日にも竹富町に是正要求が出されるのか」と驚いた。県教育委員会は昨年10月、国から竹富町に是正を求めるよう指示され、4カ月以上協議してきたが、結論は出ていない。「是正要求が出されたとしても、19日の県教委定例会でしか話し合えない。まずは明日を待ってから、対応を考えたい」と話した。