【名護】交通事故で手足がまひし、絵筆を口にくわえて水彩画を描く名護市の鉢嶺克治さん(42)の作品展が9日から市立中央図書館で開かれている。同市「まちなか美術館」の一環。施設で過ごす鉢嶺さんが、週に1度の外泊日を利用して12日、同図書館を訪れ、自身の作品に囲まれて笑顔を見せた。作品展は15日まで。入場無料。

口で描いた水彩画約70点を展示、「見に来てもらえたらうれしい」と話す鉢嶺さん=12日、名護市立中央図書館

 鉢嶺さんは20歳で交通事故に遭い、車いすの生活となった。だが障がいがあっても「何かに打ち込みたい」とさまざまなことに挑戦、8年前に水彩画と出合った。

 作品は風景から静物、動物、人物と多彩。鉛筆で下絵を描き、水彩絵の具で少しずつ丁寧に色を乗せていく。ひんぷんガジマルや月桃の花、名護市内の見慣れた風景など優しいタッチの作品ばかりだ。

 鉢嶺さんは「1回で塗れる範囲が限られ、大判サイズは難しい。でも最近は、絵筆を洗っているとき絵の具が作品にはねても、これも自分の作品だから、と思ってますよ」と楽しそうに笑う。

 会場にはこれまで描いた約70点を展示、2007年から毎年、作品を掲載した自作カレンダーも作成し、好評だ。14年は午(うま)年にちなんで1、2月の絵は「与那国馬」。人気は口コミで広まり、今年は当初の2倍近い400部を印刷したという。

 鉢嶺さんは「いろんな人の協力で、ここまでこられた。多くの人に見てもらえれば、うれしいですね」と話した。