那覇市は、旧日本軍が強制接収した「旧那覇飛行場用地問題」の解決策として、同問題の歴史を伝える地域振興施設「ともかぜ振興会館(仮称)」と保健センターの複合施設建設に向けた基本構想案を14日までにまとめた。2019年度からの供用を目指している。市と協議してきた同問題解決地主会(会員175人)の金城栄一会長(72)は「ふるさとがあっても帰れないつらい気持ちや先人の記憶を語り継ぐ場として早く整備してほしい」と話した。

旧那覇飛行場用地問題に伴い、那覇市がまとめた複合施設基本構想案を喜ぶ同問題解決地主会の金城栄一会長(右)と上原謙事務局長=12日、那覇市田原の事務所

 市は9月市議会に基本構想策定のための補正予算を計上。策定案の意見公募(パブリックコメント)を経て、6月ごろの庁議で承認される見通しだ。

 基本構想案は、市金城の保健センター用地に開館予定の複合施設について「市の振興と地権者の慰藉(いしゃ)につながる施設として整備する」と位置付けた。

 ともかぜ会館については「国策で接収された旧大嶺集落を故郷として形に残し、記録発信する場」などとしている。旧大嶺集落の歴史継承のため旧軍飛行場や旧集落の模型を展示するほか、地域コミュニティーの再構築、伝統や文化など生涯学習拠点の機能を持たせ、指定管理者制度の導入を視野に入れている。

 市の担当者は「同案は地主会と協議しながらまとめたもの」と説明。国の一括交付金を活用し、15年度に基本設計、16年度に実施計画、17年度着工を目指している。

 金城会長は「会員が高齢化する中で、大嶺で住んだ証を早く造らなければならない。那覇空港第2滑走路の整備も進む中で大嶺の形がなくなれば記憶から無くなる。できるだけ早く完成させて未来につなげたい」と訴えた。

[ことば]旧那覇飛行場用地問題 1943~44年にかけて、旧日本軍が民間地を強制接収し、飛行場(現那覇空港)を建設したことに起因する。地主会によると、接収用地は約54万5400平方メートル。戦後は米軍管理とされ米軍が無償利用し、復帰後に国有地として移管された。