早朝6時すぎの美里工グラウンド。主力選手が続々と集まって準備を整え、恒例の打撃練習から一日をスタートさせる。

美里工打線の鍵を握る(左から)神田大輝、宮城諒大、花城航

 県秋季大会で沖尚の優勝を阻み、21年ぶりの頂点に立った美里工。躍進の原動力は左打者が多く並ぶ、破壊力抜群の重量打線だ。1番神田大輝が5割を超える高い出塁率で相手投手をかく乱し、中軸が好球必打で打ち崩す。165センチの小柄なリードオフマン・神田は「初打席はいい緊張感。自分が出て流れを呼び込む」と貪欲に出塁を狙う。

 中軸を担う宮城諒大は、3番に定着。秋の公式戦で打率3割7分、4本塁打と存在感を示した。しかし九州の好投手との対戦では、6打数1安打と低迷した。

 オフからは「無心に振っていたが、軸を意識して打席に立つことを心掛けた」と、スイング改造に着手。成果は実を結び、先週からの練習試合では2本塁打を放つなど「調子は上向き」と手応えを感じている。甲子園でも、豪快なアーチが期待される。

 主砲の花城航は、公式戦でチーム最多の15打点。小柄だが、がっちりした下半身から放たれる鋭い打球が野手の間を破り、走者をホームに招き入れる。右肘の故障で不振が続いたが、15日の岡山理科大付戦に代打出場し、右中間を破る三塁打を放って復調をアピールした。「毎打席を大事に、しっかりバットを振りたい」。主砲の復活が打線浮沈の鍵を握る。

 「緻密さと豪快さを併せ持つ打線」。神谷嘉宗監督の目指す攻撃的野球で、広い甲子園に快音を響かせる姿が見られるはずだ。(花城克俊)