県内の2014年公示地価が22年ぶりに上昇した。県内地銀3行のシンクタンクは、県内景気の拡大に加え、消費増税前の住宅建築需要が主要因と分析。全国の地方県に先駆けてのプラス転換に「県経済の力強さが表れた」と評価した。不動産業界は、増税後の反動減を懸念しつつも、来年10月にも想定されている税率10%引き上げに向け、小幅ながら上昇傾向は続くと見通している。

商業地で13年連続の最高価格となった、那覇市久茂地3丁目の日本生命那覇ビル付近

 りゅうぎん総合研究所の久高豊常務は「全国的にアベノミクスの大胆な金融緩和で、将来の地価上昇への期待が広がっている」と強調。その上で県内は、「振興予算の増加で土地取引がさらに活発化し、上昇につながった」と解説し、「増税後の反動減を乗り越え、デフレ脱却に至れば、伸び率はプラス圏内での動きが持続するだろう」と見通した。

 おきぎん経済研究所の出村郁雄社長は「住宅需要が全体を押し上げた」と指摘。県内地価は、人口や世帯数の増加を背景に11年からマイナス幅が縮小してきており、消費増税前の駆け込み需要が加わって、14年はプラスに転じたとみている。「今後は緩やかに回復すると思われる」とした。

 海邦総研の伊波貢経営企画部長は「好調な県経済の成長力を見込んだ県外からの投資も影響している」とみる。「住宅建築も併せて、まだ需要はある。税率10%引き上げまでは、上昇傾向が続くのではないか」と予想した。

 「区画整理が住宅需要を刺激している」と分析した中部地区に拠点を置く不動産会社役員は、区画整理による開発で、宜野湾市、北谷町なども伸びたとする。

 那覇市を中心に分譲マンションの開発・販売を手掛ける不動産会社の役員も、旺盛な住宅需要が地価を押し上げていると話す。ただ、那覇市はすでに飽和状態。南風原町、八重瀬町など、那覇近郊に開発エリアが広がっており、5年前に比べ、地価は約1・5倍になっているという。

 「消費者の実質的な収入が増えている訳ではないが、デフレ脱却の期待感や消費税増税前の駆け込みもあり、マインドは前向き」と説明。「やや落ち着くかもしれないが、次の10%を前に、もうひとヤマある」と、当面は地価上昇が続くとみている。