米軍が嘉手納基地内で1987年、ポリ塩化ビフェニール(PCB)の高濃度汚染を把握しながら、日本側に通報していなかったことが18日、分かった。英字紙「ジャパンタイムズ」が元米兵が保管していた内部文書を基に報じた。汚染濃度は5535ppmで、ダイオキシン類換算で環境基準の8~89倍に上る。

 内部文書は、嘉手納基地報道部に所属していたボブ・マカーティー氏(当時中尉)が作成し、保管していたという。

 親米的とみなしていた西銘順治知事(当時)の与党が県議選で不利になることや調査要求が全国の基地に広がることを懸念する記述も含まれる。

 汚染の判明は86年11月、基地内の屋外貯蔵場で移動中の変圧器が倒れ、PCB入りの油が漏れた事故がきっかけ。米軍が周辺を調査したところ、油自体の濃度(214ppm)の10倍に当たる2290ppmの汚染が発覚した。さらに翌87年8月に範囲を広げて調査すると、5535ppmの結果が出た。

 87年12月付の文書は汚染が事故の前から広がっていたとの見方を示し、「隠蔽(いんぺい)との批判を避けるため、速やかに日本政府に通知する必要がある」と提案した。しかし実際には公表されなかった。

 記事を書いたジャーナリストのジョン・ミッチェル氏は「米軍がいかに汚染を隠し、情報を管理しているか。内部文書で明らかになるのは初めてではないか」と話している。