メスを使わずにがんを治療する重粒子線治療施設の導入可能性を検討する協議会(会長・玉城信光県医師会副会長)は19日、南風原町内で開いた第3回会議で、治療装置と関連設備(計105億円程度)は県が所有し、運営主体に貸し出す方式とするなどの最終報告案をまとめた。

 施設建設は2014年度に返還予定の米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区を候補地とし、5年後の運用開始を目標に来年度に県が運営主体を公募する方針。同協議会は詳細を詰めて近く県に最終報告する。

 総事業費約155億円のうち、治療装置などは県の所有とし、土地・建物は運営主体の所有で、そのうち8割を県が補助、2割は運営主体の持ち出しとする運営方式が最適な収支ケースと判断。建物関連での県の補助は29億円で、運営主体の当初の必要資金は23・2億円とみている。

 治療装置などの県所有について、玉城会長は「治療だけでなく、がん治療の研究開発のために研究機関にも貸し出すことで、国際医療拠点の形成を図る」との考えを示した。

 また、公的医療保険の適用外のため、約300万円に上る治療費の負担軽減策として新たな保険制度の創設の検討については、「がんに罹患(りかん)していない80歳以下の県民」で月額500円程度の保険料で治療費および旅費・宿泊費の全額を保障する内容で、民間の保険会社との調整も済んでいることも報告された。

 利用患者数については、先進地である群馬県や福井県での患者数と受診者の割合などを県内に当てはめるなどして推計し、県内、県外を含めて1年目に370~450人、2年目約450人、3年目540人とした。事業を20年間継続できる患者数は年間423人とした。