琉球大学の2013年度卒業式・修了式が20日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた。対象は学部生、専攻科、大学院生計1730人。がんと向き合い70歳で博士号を取った豊見城市の川元恵美子さんの姿もあった。

大城肇学長(左)から博士号学位記を受け取る川元恵美子さん=20日午前、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター展示棟

 「よく来たな、ここまで。自分でもそう思いますよ」。川元さんは琉大で5年間学び、人文社会科学研究科の比較地域文化専攻で博士号を取った。

 宮崎県に生まれ、25歳で結婚し夫紀昭さん(73)の転勤で沖縄へ。不妊治療をきっかけに自分の体を知りたいと35歳で那覇看護学校に入り、県内外で11年間看護師をした。

 専門学校などで講師をしていたが大学院を目指した。背景に、手を尽くしても亡くなっていく患者と向き合い続けた経験とがん闘病体験がある。「施設の中の看護だけでは通用しないことがあるような気がした」

 川元さんは、1990年に大腸がんが見つかり手術をした。自分はこの先どうなるのか、死に向かうとはどういうことなのか、と考えるようになった。大学院に入った後にも再発し、乳がんも見つかった。学位論文では、久高島のフィールドワークを基に、がんの緩和ケアなどに地域の文化や信仰も取り入れる必要性について研究した。

 来週からは、卒業まで遅らせていた、がんの再発の有無を調べる大がかりな検査が始まる。不安は当然ある。だが、川元さんは穏やかな表情で言った。

 「今日が終わるまで明日のことは考えない。次のことは少し休んでから考えますよ」