【平安名純代・米国特約記者】米ニューヨーク市で開かれた第7回ニューヨーク平和映画祭で22日(日本時間23日)、オスプレイ配備に反対する沖縄の人たちの姿を描いた琉球朝日放送(QAB)制作の記録映画「標的の村」が上映された。同作品の海外での上映は初めて。

22日、ニューヨークの教会で始まった「ニューヨーク平和映画祭」の観客とインターネット電話を通じて討論する三上智恵さん

 「標的の村」の上映後、三上智恵監督がインターネット電話を通じて観客と討論し、現地在住の米国人や県出身者らから質問が集中、予定時間を大幅に超えるなど関心の高さを示していた。

 三上監督との討論では、日本政府が東村高江の住民を訴えた裁判に関し、「米国では考えられない。日本では人権は守られないのか」「福島の原発事故で日本政府がうそをついていたのは衝撃だったが、沖縄の現状はさらに衝撃だ。デモは今後もっと増えるのか」などの質問が相次いだ。

 三上監督は「これは反米映画ではなく、怒りはむしろ日本政府に向けられている。沖縄の人々の権利ではなく、米国にばかり目を向けていることへの憤りだ」と説明した。

 同市在住のベル・カーソンさんは本紙に対し、「住民の人権より米軍の都合を優先する日米地位協定の存在を初めて知った」と驚いた様子。また、本土復帰の1972年に沖縄に駐留していたクリス・パークーリスさんは「復帰をめぐり揺れていた沖縄を今でもはっきり覚えている。映画を見ながら、沖縄に真の戦後はまだ訪れていないと感じ、胸が痛くなった」と話した。

 同映画祭では、米国内の格差や人種差別などの問題を描いたドキュメンタリー作品を中心に2日間にわたって11作品が上映された。