モノレール首里駅-石嶺駅(仮称)区間(0・9キロ)を先行開業した場合の費用対効果について、上りと下りに1本ずつ線路を引く「複線案」はマイナス約10億6100万円、上下で線路を共有する「単線案」でもマイナス約2400万円と試算されていたことが分かった。特に複線案は、列車の折り返し設備(分岐器)などで建設費が膨らむため、メリットを慎重に判断する必要がある。

 試算は2012年7月、県が約500万円かけて社団法人日本モノレール協会に発注した「沖縄都市モノレール運行計画検討委託業務」報告書の一部。報告書は、19年の全線開通を前提とした上で、技術面と費用面の双方から先行開業の実現可能性を探っている。

 開業時期については、複線案が全線開通より1年、単線案が全線開通より1・5年前倒しで開業できるとしている。

 部分開業の建設費は、全線開通の際に首里駅-石嶺駅間で必要な額と比べると、複線案が約11億3700万円、単線案が約1億3800万円余計にかかる。特に複線案は、分岐器約8億円のほか、支柱高アップのための基礎工事費、信号保安設備費などが大きくかさむ。運賃収入から人件費などの運営経費を引いた収支は、複線案が約7600万円、単線案が約1億1400万円と試算している。

 報告書は、建設費が少なく複線案より前倒しで開業できることを理由に「単線案が有効」と結論づける一方、「(先行開業から)わずか1~1・5年後に全線開業を迎えることから、メリットデメリットについて今後精度を上げた詳細な検討が必要」と慎重姿勢を示している。(平島夏実)