【竹富】過去に例のない市町村への「是正要求」を出した文部科学省に、竹富町教育委員会は24日、あらためて「ノー」を突き返した。政権交代直後から保守色の強い育鵬社版の中学公民教科書を採択するよう迫られる中、教育委員は正当性を主張。住民からは「町教委の支援運動を広げる」との声が上がった。

是正要求に応じない姿勢を確認した竹富町教委の委員=竹富町役場

 「(是正要求に従えば)今まで町教委の主張は何だったのかとなる。その選択はない」

 約3時間にわたった町教委定例会後、慶田盛安三教育長はこう述べ、東京書籍版の使用継続が既定路線だったと明かした。

 記者会見では、教科書調査員が最低点をつけた育鵬社版が多数決で決められたことや、民主党政権下で「(竹富教委の対応は)法で禁止されていない」とされたが、自民党政権で解釈が一転したことに不満が噴出。

 委員からは「是正要求はあり得ないと思った」「前例がなく、すぐに答えは出せない」と批判や疑問の声が相次いだ。

 今後は国との違法確認訴訟も想定される。慶田盛教育長は「小さな自治体は弁護費用をまかなうのも厳しい」と不安も口にした。

 一方、町教委を支持する「竹富町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会」の庄山守事務局担当は「是正要求後、メールでの署名集めが400件に達し、反響が大きい。教育委員がじっくりと研究し、採択した現教科書を使えるよう、国内外に支援を呼び掛けたい」と力を込めた。

地域の主体性尊重し見守る
諸見里県教育長

 諸見里明県教育長は竹富町教委の対応について「最終決定ではないものの、是正要求には従わない方向だと聞いている」とし、「竹富町教委がその権限と責任において方針を検討している。県教委としては地域の主体性を尊重し、今後の推移を見守りたい」と述べた。

行政法基づき指導継続方針
文部科学省

 【東京】文部科学省は「具体的な報告を受けていないのでコメントできない」としつつ、教科書無償措置法に基づいた採択をしない間は、地方教育行政法に基づき指導を続ける方針を示した。

 町が国地方係争処理委員会に審査を申し出なければ、国は違法確認訴訟を起こすことができる。