那覇市(翁長雄志市長)はこのほど、1901年ごろに作製された旧高宮城村(現那覇市宮城)の地籍図を市指定文化財に認定した。同地籍図は和紙5枚で、県の土地整理事業の際に、土地の所有者や畑など土地の利用状況が墨で記録されている。沖縄戦中、当時の故大嶺三郎副自治会長が持参し避難したため焼失を免れていた。翁長市長は24日、昨年10月に市に同地籍図と出納簿を寄贈した宮城自治会に対し感謝状を贈呈。「地域で守ってきた地籍図は、市民の心を豊かにし、今後の礎になる貴重な資料だ」と感謝した。

市文化財に指定された旧高宮城村の地籍図の一部

地籍図について市職員から説明を受ける翁長市長(右から2人目)と宮城自治会の上原会長(中央)ら=24日、那覇市役所

市文化財に指定された旧高宮城村の地籍図の一部
地籍図について市職員から説明を受ける翁長市長(右から2人目)と宮城自治会の上原会長(中央)ら=24日、那覇市役所

 地籍図は虫食いなどで破損した箇所は修復され、いずれも保存状態は良好。現在、地図上の宮城地域の一部は自衛隊那覇基地に変わっており、市文化財課では明治期の高宮城村の姿を知る上で貴重な資料だとしている。

 一方、出納簿は53~71年の字宮城の支出状況が記されている。市文化財課によると、那覇市長も務めた故瀬長亀次郎さんの酒代、戦死や復員調べの茶菓子代、ユタの占い代なども記載されるなど、時代を反映した興味深い支出があり、戦後から本土復帰前の自治会の経済的運営状況を知ることができる貴重な資料となっている。

 同自治会の上原俊光会長は「先人の地域を思う責任感に応えるためにも永久に保管することが大事だと思った。市長からの感謝状は宮城の誇りでシンボルになる」と話した。

 翁長市長は「今後は那覇市歴史博物館に保管して、市民にも公開したい。いずれは地籍図の模型なども作れたらいいなと思う」と話した。