外来で多い、妊産婦からの質問について答えます。まずは飛行機の利用。機内環境は正常妊婦に対して安全と考えられています。最も適しているのは安定期の妊娠12週から28週まで。利用を許可できないケースは、切迫流早産や妊娠中毒症などを指摘されている妊婦です。

 利用時の注意点は、気圧の低下に伴い腸管内のガスが膨張するので炭酸飲料を避けること。エコノミー症候群(長時問座ったままでいるため発症する深部静脈血栓症)を避けるためできるだけ通路歩行し、水分を十分に摂取することです。出産予定日から28日以内の妊婦は搭乗時に医師の診断書を要します。格安航空機の場合は早めに診断書を要求されるようなので問い合わせてください。

 妊娠中のヘアカラーやパーマについてもよく聞かれます。毛穴から薬剤が吸収され赤ちゃんに影響すると考えている人が多いようですが、医学的には根拠がありません。問題なのは妊娠中に皮膚が敏感になり、肌荒れが多くなること。心配な人は皮膚に付かないよう施術してもらいましょう。おなかが大きくなると座りっぱなしは腰痛や血栓症の心配があるので、妊娠していることを伝え、姿勢をこまめに変えると良いでしょう。

 妊娠中の歯科受診。妊娠で高まった女性ホルモンの影響で歯周病や歯肉炎が増えているようです。放置すると進行し、早産の原因にもなると言われているので、妊娠したら1度は歯科チェックがお勧めです。後期はあおむけがきつくなるので受診は妊娠17週から30週がよいでしょう。歯科医のレントゲンは口に向け、また被爆を防ぐための鉛のエプロンを首からかけるので心配ありません。麻酔は局所麻酔で行いますから、胎児への影響もありません。痛み止めも妊娠中である事を伝えれば安全な薬を処方します。

 時々残念に感じるのは、歯科医によって妊婦の治療をいやがる医師がいることです。産後の受診は困難です。受診前に妊婦でも治療してもらえるか問い合わせるとよいでしょう。

 インフルエンザが流行しています。症状が出て7日以上たち出産した場合、熱や咳(せき)がなければ授乳できますが、出産前後に感染すると問題です。(1)タミフル、リレンザを2日以上服用している(2)平熱になった(3)咳や鼻水がほとんどない-場合、直接授乳してもかまいません。それ以外は赤ちゃんを母親から隔離して、搾乳した母乳を授乳してもらってください。(伊是名博之・糸数病院)